アレトカコレトカ

年に1~2回更新していきます

世界の中心で、何もさけばない

 

アリススプリングスに到着して5日目。

 

何というか町が合わない、水も合わない。

オーストラリアの中でも給料がいいと言われるアリススプリングス
お金を貯めようとここに来たはいいけど全くテンションが上がらない。こんな気持ちは初めてでかなり戸惑っている。

 

働いてこの町で生きていくという想像が全く出来ないどころか、考えれば考えるほど気が滅入る。

 

なのでこの町を去ることにした。


わずか数日の滞在で町を出るのは何だか負けた気もするし、よくわからない罪悪感も感じる。

でも落ち着いて考えてみれば俺がどこに行こうか責められることもなければ、罪悪感を感じる必要もない。
何でも勝ち負けで考えるのはとても体力がいる、もしお金をたくさん稼いだとしても、何も感動もないまま好きになれない土地で生きていくのは努力ではなく、ただのやせ我慢にしか過ぎない。

我慢は良くない、何のための我慢なのか

 

でも今回、自分について新しいことがわかった。

「水辺がないと心が病む」

これは今まで考えたことがなかった、今までもオーストラリア では辛いこことや悩み事はたくさんあった。
その度、川や海で日が落ちるまでぼんやりして過ごすことがあった、あの時間があったからこそ
得体の知れない寂しや、実体のない恐怖にのみ込まれずに済んでいたのだ。

ここには水がない
岩と少しの緑しかない。
アリススプリングスが好きな人には申し訳ないが、ここに住んでいたら確実に病む。

 

 

あと好きになれない理由の一つに住んでいる家も問題だ、安宿の中の庭先に、アパートでいえば築40年くらいのテントが立っている、そこが私の住み良いお部屋です。

 

「むかしこのテントで惨殺事件があったんだよ」と、まことしやかに囁かれる程度のボロボロさ加減、鳥のフンとアリにまみれてる。知ってます?最近のテントってなかなかオシャレなんですね、天井に大きな窓というか?切れ目?雨めちゃくちゃ入ってくるんですね、アリスに到着したその日にまさか数ヶ月ぶりの雨というか土砂降りなんて粋なことしてくれるよね。ウエルカムシャワー、テントの中にいながら滝見れるとかガチのキャンパーでもなかなか見れない貴重な体験でした。

 

雨降るとさ虫沸くんだけどテントの中ノアの箱舟みたくなる。

デカイ蜘蛛、蚊、羽虫、人喰い大アリ、あとまさかの中国人。

 

生まれて初めてのテントシェア、まぁそれが今の嫁なんですけどね。

とか言えればよかったけど残念ながら男(いい奴)

 

彼も驚いていたよ、まさか部屋の内見に行ったらテントの内見に変わってるんだもんね。気持ちわかるよとても。

 

この安宿には建物の大きさに比べ人が多い、香港にある違法建築を重ねに重ねた

九龍城砦」の様にところ狭しと謎の部屋がたくさんある。結果、平屋なのに迷路の様になっていて普通に家の中で迷子になる。

 

シャワールームかと思えば人の部屋、トイレかと思ったら人の部屋、謎の空間に人の影。

 

アリスは人を選ぶ。

 

 

 

 

 

C11 地球の歩き方 オーストラリア 2014~2015

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